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鮫靴×タンナー編鞣し工程 

成田製靴です。
今回は鮫靴専用につくられるサメ革のお話になります。

専属タンナーが伝統的な技法で皮から革へ全ての工程をまごごろ込めて行います。
鞣し(なめし)とは、皮が腐ったり乾燥して硬化することを防ぐ大切な時間です。

シャークレザー(サメ革)の鞣しはエキゾチックレザー専門工房でしか出来ない技術です、今回はその一部をご紹介します。

気仙沼の水産業者より冷蔵コンテナでタンナーへ直送し塩漬け冷蔵状態で専用コンテナで保管されます。

ヨシキリザメの原皮

サメ革は筋繊維が密なので鞣しの薬剤が浸透するのに高い技術が必要です、その時期の気候温度や湿度を管理して適切な工程を行うことが良い革になる必須条件です。

シャークレザー(サメ革)ならではの特別な鞣し前準備をご紹介します。
上質な革に仕上げる為に重要な工程になります。

  1. 水滴
  2. ソーピング
  3. 石灰処理
  4. 脱灰
  5. 浸酸

  6. 脱鱗
  7. 中和
  8. 漂白
  9. 植物タンニング


  10. シェービング
  11. 再心水

①水滴    (冷蔵保存の皮に水分を十分に与えて原皮の状態に戻します)
②ソーピング (原皮についている余分な油分や血液成分を除去します)
③石灰処理  (繊維質などを柔軟に仕上げます)
④脱灰    (仕上げ完了後に石灰分を除去します)
 
エキゾチックレザー専門タンナーでしか出来ない皮革の優劣を決める最重要な鞣し工程です。
⑤浸酸 (原皮を酸化させて楯鱗(ジュンリン)と呼ばれるサメの鱗を軟化させます)
エナメル質で覆われた密生した鱗です→これが鮫肌と呼ばれています。

⑥脱鱗 (時間をかけて丹念に鱗(うろこ)を除去していきます)
⑦中和 (鱗の除去が終わり酸化している原皮を中和し鞣しができるようにする準備です)
しっかりと中和しないと皮革の柔らかさが出ません。
⑧漂白 (ヨシキリザメの背びれ周りメタリックブルーを漂白してカラーが均一になるような工程です)
表面の色むら原因になるので慎重に行います。
⑨植物タンニング 
(伝統的な木製の大型ドラムと天然植物由来の鞣し剤を使い、皮を熟成されるようにゆっくり時間を掛けて皮を創り上げます。)
ひとつとして同じものが無い神秘的なサメ革のシボが出来上がります。

鞣しに使用するドラム

⑩シェービング  (鞣した原皮は部位による厚みを調整するため専用機械で丁寧に仕上げていきます)
⑪再浸水     (シェービングが完了した原皮に再度水分を十分与えて余分な薬剤等を除去します)
⑫再漂白     (鞣し剤の浸透度合いによる表面の濃淡を改善するため漂白してを均一化します)

専門タンナーの高い技術力と長年の経験と研究の成果により誕生する、特別なシャークレザー(サメ革)

成田製靴の専用皮革 【成田シャークと命名しました。】

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